インデックス投資は、長期になるほどリスク低減につながり、投資に割くエネルギーの少なさ、その割に大き目のリターン、など非常に大きなメリットを与えてくれます。私もすでにつみたてNISAとあわせて実行しています。
(ここでは、インデックス投資は、ドルコスト平均法とセットの前提です)
しかし、こういう不安をなんとなーく感じることはないでしょうか?
「もし投資家全員がインデックス投資を行ったら、理屈はよくわからないけど、今まで通じていたシナリオが崩れないだろうか?」といったような、、、。
インデックス投資を検討する賢明な人なら、少なくとも「物事に絶対はない」といったことも同時に考えていると思います。それゆえに、インデックス投資といえども絶対ではない、という考えるのもごく自然なことです。
しかし、結論から言いますと心配するほどのことではないと考えています。
この記事では、インデックス投資のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー」でどのように懸念を払拭しているか触れてみたいと思います。
1.もし全ての投資家がインデックス投資を行ったら
2.人に欲望のある限り大丈夫
(補足)ドルコスト平均法のリスク
1.もし全ての投資家がインデックス投資を行ったら
もし全ての投資家がインデックス投資を行ったら、すべての投資は既存の株価に応じて機械的に配分され、株価が全く動かないことになります。そうなると、あるメーカーが素晴らしいアイデアを実現して売上が急増したとしても、全く株価が動かないとなります。何しろ、誰も個別株式を購入しないのですから。
それでは、株式市場が果たすべき機能、例えば新興企業が資金調達したり、優れた企業が時価総額を高めて株主にリターンをもたらすといった機能が働かなくなります。
そういったわけで、全ての投資家がインデックス投資を行ったら、株式市場がまともに機能しなくなり、資産がどうなってしまうか想像もつきません。
2. 機会をつかもうとする人がいる限り価格を構成するので大丈夫
全ての投資家がインデックス投資を行えば株式市場はまともに機能しませんが、 資本主義市場は(おおむね)自由で開かれており、人に欲望のある限り、もっと稼ごう・もっと上を目指そうとする人が出るのが当然です。もし、新商品がブレイクしているのに割安でとどまっている株式があったら買い占めて大儲け、と考えないわけないですよね。
ちなみに、インデックス投資は手間のかからない楽々な投資法ですが、その分、なんとも退屈です。基準額が上がろうが下がろうが、ほったらかし、ですから。それだと「マイクロソフト株で大儲けしちゃったよー、一時期Windows Phone (笑)とか全体的にパッとしなかったときは売るに売れなかったんだけどさー」とか言って自慢話もできません(フィクションです)。ですので、インデックス投資家の中にも、個別株を扱いたい人は一定割合で存在し続けるでしょう。
人に欲望のある限り、そういった人が途絶えることはなく、金融商品は活発に売買され、企業や市場の成長が株価に反映され、効率的な市場が形成され続けます。
インデックス投資家は、この効率的市場の「フリー・ライダー」(ただのり)として、メリットを享受しつづけることができます。
人に欲望のある限り大丈夫、これってかなり期待できる根拠ですよね。
(補足)ドルコスト平均法のリスク
このブログではインデックス投資はドルコスト平均法とのセットを前提にしていますが、そのドルコスト平均法のリスクとして、積立を終えて解約する最後の瞬間に資産の価値が暴落するリスクがあります。そして、そのリスクはゼロにする方法は存在しません。
が、「ランダム・ウォーカー」では、それでも債券や預金より株式投資のほうがリターンが大きいため推奨しており、また、暴落を含めた具体的な出口戦略として、複数のライフプランに合わせた解約方法が解説されています。長期的な解約方針を立てていけば、一時的に暴落していたとしても、少しずつ解約しながら資産の回復を待つこともできます。資産形成を終えた後を考えるときには、参考にしてみるとよいと思います。
・まとめ
インデックス投資への資金流入が拡大しても、 人に欲望のある限り、 インデックス投資自体の勝利のシナリオを崩すことは考えにくいと思われます。しかし、物事に絶対はないという心構えは投資家に必要な姿勢であり、投資に限らず常に念頭に置いておいて損はないと思います。